基礎疾患を有さない未破裂肋間動脈瘤の1治験例

肋間動脈瘤は神経線維腫症1型,大動脈縮窄症などの基礎疾患を有する患者に稀に発症することが知られているが,基礎疾患のない患者に認めることは非常に稀である.今回,偶然見つかり,治療した未破裂肋間動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は69歳男性,既往歴:高尿酸血症,高脂血症,外傷歴.家族歴に特記事項.血液学的所見および画像所見にて全身的な基礎疾患を認めず.右腰背部痛で近医受診し,尿路結石等の疑いにて胸腹部造影CTが撮影された.痛みの原因は特定できなかったが,痛みは自然軽快し,偶然見つかった肋間動脈瘤を治療する方針とした.左第7肋間動脈に最大直径2 cmの囊状動脈瘤を認め,コイル塞栓術を施行した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 5; pp. 333 - 336
Main Authors 久米, 博子, 本間, 香織, 小泉, 伸也, 岸野, 充浩, 岩井, 武尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 22.10.2020
日本血管外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.20-00066

Cover

More Information
Summary:肋間動脈瘤は神経線維腫症1型,大動脈縮窄症などの基礎疾患を有する患者に稀に発症することが知られているが,基礎疾患のない患者に認めることは非常に稀である.今回,偶然見つかり,治療した未破裂肋間動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は69歳男性,既往歴:高尿酸血症,高脂血症,外傷歴.家族歴に特記事項.血液学的所見および画像所見にて全身的な基礎疾患を認めず.右腰背部痛で近医受診し,尿路結石等の疑いにて胸腹部造影CTが撮影された.痛みの原因は特定できなかったが,痛みは自然軽快し,偶然見つかった肋間動脈瘤を治療する方針とした.左第7肋間動脈に最大直径2 cmの囊状動脈瘤を認め,コイル塞栓術を施行した.術後合併症なく経過し,術後5年の経過観察にて瘤の拡大を認めず,他の動脈瘤の発生も認めていない.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20-00066