EPR効果への誤解と批判

EPR効果についての誤解と批判について解説する。1986年に論文発表されてから30年以上が経過し、現在ではEPR効果は日本DDS学会はいうに及ばず、医薬工の関連する学会でも説明に引用されるほど広く知られた概念となっている。そんな状況であるからこそ、EPR効果について基本的な誤解が起こり得ると、筆者は考えている。また、誤解はなくとも、どこまでの現象をEPR効果として定義するかについては、議論があるところである。本稿の前半部分では、EPR効果の歴史と定義について記述し、誤解されやすい点について解説を加えた。本稿の後半部分では、EPR効果に対する批判論文を引用し、その内容の要点をまとめて、筆者の意見...

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Published inDrug Delivery System Vol. 33; no. 2; pp. 89 - 97
Main Author 横山, 昌幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.03.2018
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Summary:EPR効果についての誤解と批判について解説する。1986年に論文発表されてから30年以上が経過し、現在ではEPR効果は日本DDS学会はいうに及ばず、医薬工の関連する学会でも説明に引用されるほど広く知られた概念となっている。そんな状況であるからこそ、EPR効果について基本的な誤解が起こり得ると、筆者は考えている。また、誤解はなくとも、どこまでの現象をEPR効果として定義するかについては、議論があるところである。本稿の前半部分では、EPR効果の歴史と定義について記述し、誤解されやすい点について解説を加えた。本稿の後半部分では、EPR効果に対する批判論文を引用し、その内容の要点をまとめて、筆者の意見を加える。筆者の意見の大半は、この批判に反対するものであるが、このような批判を通じて議論を起こすことは科学の発展に不可欠なことと考えている。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.33.89