切除不能進行再発大腸癌の化学療法中に発症した消化管穿孔の後方視的研究
【はじめに】切除不能進行再発大腸癌の化学療法中に血管新生阻害薬による消化管穿孔は致死的有害事象である。切除不能進行再発大腸癌の化学療法中に発症した消化管穿孔を検討したので報告する。【対象と方法】2020年1月から2022年2月に当センターにおいて切除不能進行再発大腸癌に対して化学療法を行った症例を対象とし,後方視的に消化管穿孔を調査した。【結果】対象症例は55例。年齢中央値63.5(36〜89)歳,性別は男/女 31/24。化学療法開始時のPSは0/1/2が44/9/2例。Grade 3以上の消化管穿孔は2例(3.6%)であり,1例は抗菌薬で保存的に軽快し,1例は手術により大網充填と洗浄ドレナ...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 637 - 640 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.03.2023
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.43.637 |
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Summary: | 【はじめに】切除不能進行再発大腸癌の化学療法中に血管新生阻害薬による消化管穿孔は致死的有害事象である。切除不能進行再発大腸癌の化学療法中に発症した消化管穿孔を検討したので報告する。【対象と方法】2020年1月から2022年2月に当センターにおいて切除不能進行再発大腸癌に対して化学療法を行った症例を対象とし,後方視的に消化管穿孔を調査した。【結果】対象症例は55例。年齢中央値63.5(36〜89)歳,性別は男/女 31/24。化学療法開始時のPSは0/1/2が44/9/2例。Grade 3以上の消化管穿孔は2例(3.6%)であり,1例は抗菌薬で保存的に軽快し,1例は手術により大網充填と洗浄ドレナージを行った。治療関連死亡は認めなかった。【結語】化学療法に伴う消化管穿孔を2例経験した。1例は保存的に治癒し,1例は手術が必要であった。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.43.637 |