坐骨神経痛を主訴とした遺残坐骨動脈瘤に対する血管内治療例
症例は67歳,女性.右大腿外側の痛みを主訴に整形外科を受診した.MRIにて異常血管を指摘され当科へ紹介された.CT血管造影にて右内腸骨動脈は上臀動脈分岐後に大坐骨孔を通り紡錘状の最大外径2.0 cmと瘤化し,大腿背側より膝窩動脈へ連続していた.浅大腿動脈は低形成で大腿末梢部にて終止し,Pillet-Gauffre分類type 2aの遺残坐骨動脈の瘤化と診断した.拍動した遺残坐骨動脈瘤による坐骨神経への圧迫症状と考えられた.坐骨神経周囲への外科的侵襲を避けるためVIABAHNを瘤内に留置した.退院前には瘤の縮小は証明できなかったが,endoleakを認めず,坐骨神経痛は軽減した.1年後に瘤は完全...
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Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 37 - 40 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
01.02.2023
日本血管外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.22-00080 |
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Summary: | 症例は67歳,女性.右大腿外側の痛みを主訴に整形外科を受診した.MRIにて異常血管を指摘され当科へ紹介された.CT血管造影にて右内腸骨動脈は上臀動脈分岐後に大坐骨孔を通り紡錘状の最大外径2.0 cmと瘤化し,大腿背側より膝窩動脈へ連続していた.浅大腿動脈は低形成で大腿末梢部にて終止し,Pillet-Gauffre分類type 2aの遺残坐骨動脈の瘤化と診断した.拍動した遺残坐骨動脈瘤による坐骨神経への圧迫症状と考えられた.坐骨神経周囲への外科的侵襲を避けるためVIABAHNを瘤内に留置した.退院前には瘤の縮小は証明できなかったが,endoleakを認めず,坐骨神経痛は軽減した.1年後に瘤は完全に縮小しており,同時に坐骨神経痛,運動障害は消失していた.4年間外来観察中で,VIABAHNの破損・閉塞もなく,endoleakも認めず良好に開存しており,坐骨神経痛もなく順調に経過している. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.22-00080 |