Red-color Sign を伴う高度な胃静脈を伴った膵原発Solid-pseudopapillary Neoplasm の1 例

膵solid-pseudopapillary neoplasm(以下,SPN)は,膵腫瘍のなかで0.17 〜2.7%を占めるまれな腫瘍である。若年女性に多く,膵体尾部に発生し,厚い被膜を有する充実性腫瘍である。上皮性,低悪性度腫瘍とされているが,一部で悪性化の報告もある。今回われわれは胃癌検診で異常を指摘され,腫瘍圧迫による脾静脈閉塞のために胃静脈瘤,脾腎シャント,脾腫を伴った巨大SPN の症例を経験した。腫瘍性による左側門脈圧亢進症を呈し,胃静脈瘤はRC+で,手術時の出血などのリスクは高かったが根本的原因の除去が必要と考え,手術での腫瘍含む膵体尾部切除を行った。術後,胃静脈瘤は消失した。現在...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 3; pp. 421 - 423
Main Authors 白幡, 康弘, 鈴木, 聡, 太田, 依璃子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2022
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.421

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Summary:膵solid-pseudopapillary neoplasm(以下,SPN)は,膵腫瘍のなかで0.17 〜2.7%を占めるまれな腫瘍である。若年女性に多く,膵体尾部に発生し,厚い被膜を有する充実性腫瘍である。上皮性,低悪性度腫瘍とされているが,一部で悪性化の報告もある。今回われわれは胃癌検診で異常を指摘され,腫瘍圧迫による脾静脈閉塞のために胃静脈瘤,脾腎シャント,脾腫を伴った巨大SPN の症例を経験した。腫瘍性による左側門脈圧亢進症を呈し,胃静脈瘤はRC+で,手術時の出血などのリスクは高かったが根本的原因の除去が必要と考え,手術での腫瘍含む膵体尾部切除を行った。術後,胃静脈瘤は消失した。現在,2 年経過し,無再発生存である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.421