下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート系接着材を用いた血管内塞栓術の治療成績—血管内高周波焼灼術との比較検討

2019年12月から下肢静脈瘤に対して新たに保険適用になったシアノアクリレート系接着材による血管内塞栓術と血管内高周波焼灼術の術後成績を比較した.当院で2020年6月から2021年2月の間に一次性下肢静脈瘤に対して血管内塞栓術が施行された50例59肢と,2019年7月から2020年6月の間に血管内高周波焼灼術を施行された50例68肢を対象とした.二群間で術後合併症の発生頻度と,術後3カ月における閉塞率に差は見られなかった.治療血管長は血管内塞栓術を施行した群の方が短かったが,術前と術後3カ月における静脈疾患臨床重症度スコアは二群間で差は見られなかった.熱焼灼に伴う合併症がなく,TLA麻酔が不要...

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Published in静脈学 Vol. 32; no. 3; pp. 331 - 335
Main Authors 鉢呂, 康平, 木下, 武, 白石, 昭一郎, 和田, 厚幸, 鈴木, 友彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 25.11.2021
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Summary:2019年12月から下肢静脈瘤に対して新たに保険適用になったシアノアクリレート系接着材による血管内塞栓術と血管内高周波焼灼術の術後成績を比較した.当院で2020年6月から2021年2月の間に一次性下肢静脈瘤に対して血管内塞栓術が施行された50例59肢と,2019年7月から2020年6月の間に血管内高周波焼灼術を施行された50例68肢を対象とした.二群間で術後合併症の発生頻度と,術後3カ月における閉塞率に差は見られなかった.治療血管長は血管内塞栓術を施行した群の方が短かったが,術前と術後3カ月における静脈疾患臨床重症度スコアは二群間で差は見られなかった.熱焼灼に伴う合併症がなく,TLA麻酔が不要であるため下肢への穿刺回数が大幅に減った血管内塞栓術は,血管内焼灼術と比較して有効性と安全性が同等なより低侵襲な治療法として重要である.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.21-21