腰神経叢ブロックにより放射線照射治療可能となった脊柱管狭窄症の1症例

症例は77歳,男性.肺がんに対して放射線照射治療予定であったが,左大腿前面部痛のため治療に必要な体位保持が困難であり,治療が延期となっていた.当院放射線科でプレガバリン75 mg/日,トラマドール・アセトアミノフェン配合錠(TA配合錠)2錠/日が投与されたが,体位保持は困難であったため,当科紹介受診となった.脊椎MRIと身体所見から脊柱管狭窄症による左L3神経根症と考え,プレガバリンおよびTA配合錠の増量とプレドニゾロン5 mg/日の内服投与を開始し,痛みは軽減した.2日後に透視下腰神経叢ブロックを施行したところ痛みはさらに軽減して仰臥位での体位保持が可能となり,予定されていた放射線照射治療を...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 22; no. 4; pp. 558 - 561
Main Authors 樋田, 久美子, 原, 哲也, 境, 徹也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 2015
日本ペインクリニック学会
Subjects
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.15-0002

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Summary:症例は77歳,男性.肺がんに対して放射線照射治療予定であったが,左大腿前面部痛のため治療に必要な体位保持が困難であり,治療が延期となっていた.当院放射線科でプレガバリン75 mg/日,トラマドール・アセトアミノフェン配合錠(TA配合錠)2錠/日が投与されたが,体位保持は困難であったため,当科紹介受診となった.脊椎MRIと身体所見から脊柱管狭窄症による左L3神経根症と考え,プレガバリンおよびTA配合錠の増量とプレドニゾロン5 mg/日の内服投与を開始し,痛みは軽減した.2日後に透視下腰神経叢ブロックを施行したところ痛みはさらに軽減して仰臥位での体位保持が可能となり,予定されていた放射線照射治療を行うことができた.脊柱管狭窄症による腰下肢痛に対して内服調整と神経ブロックを行い仰臥位での体位保持が可能となったことが,放射線照射治療を進めるための大きな役割を果たした.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.15-0002