孤立性総腸骨動脈瘤に対し反転したゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを留置した1例

要  旨:孤立性総腸骨動脈瘤は,腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤のうち約7%との報告があり比較的稀な疾患であるが,ハイリスク症例において開腹人工血管術は時として煩雑で過大侵襲となりえる.当症例では企業製デバイスの留置方法を工夫してレッグ単体で治療し得たステントグラフト内挿術(EVAR)症例を報告する.症例は直腸癌に対する低位前方切除術術後の67歳男性で拡大傾向のある総腸骨動脈瘤を指摘され当院紹介となった.来院時37 mmで内腸骨動脈分岐直前の孤立性右総腸骨動脈瘤であった.下腹部開腹手術後であったためEVARを選択した.また孤立性であったためレッグ単体での治療を目指した.中枢ランディング部分は径17...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 5; pp. 801 - 804
Main Authors 池谷, 佑樹, 荻野, 秀光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2013
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.12-00094

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Summary:要  旨:孤立性総腸骨動脈瘤は,腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤のうち約7%との報告があり比較的稀な疾患であるが,ハイリスク症例において開腹人工血管術は時として煩雑で過大侵襲となりえる.当症例では企業製デバイスの留置方法を工夫してレッグ単体で治療し得たステントグラフト内挿術(EVAR)症例を報告する.症例は直腸癌に対する低位前方切除術術後の67歳男性で拡大傾向のある総腸骨動脈瘤を指摘され当院紹介となった.来院時37 mmで内腸骨動脈分岐直前の孤立性右総腸骨動脈瘤であった.下腹部開腹手術後であったためEVARを選択した.また孤立性であったためレッグ単体での治療を目指した.中枢ランディング部分は径17 mmで末梢ランディング部分は外腸骨動脈の13 mmであったため中枢径の太いテーパーデバイスが必要とされたため,ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを反転して留置し瘤を空置し治療した.合併症なく,より低侵襲で安全に治療し得た症例を経験した.術後,瘤拡大やエンドリークなく経過良好である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.12-00094