末梢型深部静脈血栓症を併存した下肢静脈瘤患者に対して,静脈瘤血管内焼灼術は安全に施行できるか

著者は下肢静脈瘤術前duplex ultrasound(DUS)により偶発的に見つかった末梢型深部静脈血栓症(incidental distal DVT: IDDVT)併存症例のうち,血栓性素因なく術前にIDDVT悪化のない症例に対し抜去術を施行,術前後でIDDVTの悪化なく,手術できたことを報告した.今回,IDDVT併存下肢静脈瘤症例で血管内焼灼術(ETA)が施行可能かを検討した.2017年6~12月に一次性下肢静脈瘤診断下に術前DUSを受けた患者は137例,8例に偶発的にDVTを認めた.DVTは大腿静脈壁在血栓1例,膝窩静脈器質化血栓1例,IDDVT6例.この6例の3カ月後DUS再精査では...

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Published in静脈学 Vol. 30; no. 1; pp. 7 - 13
Main Author 白杉, 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 14.02.2019
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Summary:著者は下肢静脈瘤術前duplex ultrasound(DUS)により偶発的に見つかった末梢型深部静脈血栓症(incidental distal DVT: IDDVT)併存症例のうち,血栓性素因なく術前にIDDVT悪化のない症例に対し抜去術を施行,術前後でIDDVTの悪化なく,手術できたことを報告した.今回,IDDVT併存下肢静脈瘤症例で血管内焼灼術(ETA)が施行可能かを検討した.2017年6~12月に一次性下肢静脈瘤診断下に術前DUSを受けた患者は137例,8例に偶発的にDVTを認めた.DVTは大腿静脈壁在血栓1例,膝窩静脈器質化血栓1例,IDDVT6例.この6例の3カ月後DUS再精査ではIDDVT消失3例,不変2例,伸展1例.消失・不変の5例にETA施行.術後1カ月以内IDDVT増悪再燃はなかった.症例選択によりIDDVT併存・下肢静脈瘤症例に対するETAを安全に施行できる可能性が示唆された.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.18-23