顎変形症患者における顎矯正手術前後の筋機能の変化の検討

「緒言」顎変形症患者の形態的, 機能的改善に関する報告は数多くなされている1-17). 中でも, 顎矯正手術後の筋機能の回復に関しては, 咬筋, 側頭筋の筋活動電位量を経過を追って報告しているものが多い18-20). しかし, 三谷21)によると, 顎機能は顎口腔系の単独活動の総和としてなされるものではなく, 筋群全体の学習的な協調によって行われるものとしている. したがって咀嚼筋活動は相対的な評価をすることが必要であると考えられる. 咬筋と側頭筋の相対的活動を示す指数として活動性指数(activity index)22)がある. 山片23)らは顎顔面形態と咀嚼筋活動の間には相関関係があり,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 12; no. 2; pp. 61 - 68
Main Authors 長濱, 加奈, 川本, 達雄, 覚道, 健治, 中嶋, 正博, 山片, 重徳, 橋本, 登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2002
日本顎変形症学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.12.61

Cover

More Information
Summary:「緒言」顎変形症患者の形態的, 機能的改善に関する報告は数多くなされている1-17). 中でも, 顎矯正手術後の筋機能の回復に関しては, 咬筋, 側頭筋の筋活動電位量を経過を追って報告しているものが多い18-20). しかし, 三谷21)によると, 顎機能は顎口腔系の単独活動の総和としてなされるものではなく, 筋群全体の学習的な協調によって行われるものとしている. したがって咀嚼筋活動は相対的な評価をすることが必要であると考えられる. 咬筋と側頭筋の相対的活動を示す指数として活動性指数(activity index)22)がある. 山片23)らは顎顔面形態と咀嚼筋活動の間には相関関係があり, また, 骨格性下顎前突症患者の活動性指数は健常咬合者に比べて有意に低いと述べている. また, 骨格性下顎前突症者の顎顔面は健常咬合者とは形態的に異なっているため, 顎顔面形態と咀嚼筋活動の調和がとれず, 咀嚼筋活動に不均衡が起こると推察している.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.12.61