高校野球選手における肩痛発症にかかわる因子の縦断的検討
【目的】投球によって肩の疼痛(以下,肩痛)を有する野球選手は肩関節可動域や肩関節外旋筋力が低下しているが,これらは野球選手における一般的な特徴としても知られており,肩痛の発生に対しての因果関係は明らかになっていない。本研究の目的は,これらの因子が肩痛の発生に影響するかを前向き研究により検討することである。【方法】高校野球部員を対象とし,オフシーズンに肩関節機能評価とポジション等の聴取を行い,シーズンインから2 ヵ月間を観察期間とした。その後,肩痛発生の有無に対して各評価項目が影響するかを解析した。【結果】肩痛を発症した者は84 名中24 名で,多重ロジスティック回帰分析の結果,肩回旋筋力比,ポ...
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Published in | 理学療法学 Vol. 47; no. 4; pp. 331 - 336 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
2020
日本理学療法士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.11702 |
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Summary: | 【目的】投球によって肩の疼痛(以下,肩痛)を有する野球選手は肩関節可動域や肩関節外旋筋力が低下しているが,これらは野球選手における一般的な特徴としても知られており,肩痛の発生に対しての因果関係は明らかになっていない。本研究の目的は,これらの因子が肩痛の発生に影響するかを前向き研究により検討することである。【方法】高校野球部員を対象とし,オフシーズンに肩関節機能評価とポジション等の聴取を行い,シーズンインから2 ヵ月間を観察期間とした。その後,肩痛発生の有無に対して各評価項目が影響するかを解析した。【結果】肩痛を発症した者は84 名中24 名で,多重ロジスティック回帰分析の結果,肩回旋筋力比,ポジションが有意な変数として抽出された。【結論】肩痛発生に肩回旋筋力比の低下が有意に影響した。投球障害の予防には,ストレッチの他,回旋筋力のバランスにも考慮する必要があると考える。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.11702 |