ドナー由来Cell free DNAを用いた移植腎臓器障害および免疫抑制モニタリング
「1. はじめに」抗免疫療法等の進歩により移植腎の予後は年々向上し, 生着率でみた本邦での2010~2019年における現状は術後1年で96.1/98.7%(献腎/生体), 5年で87.9/93.1%(同)と報告されているが, 一方, 移植腎廃絶の原因として拒絶反応は未だ重要な位置を占めており, 移植片拒絶は移植臓器の予後に関わる大きな要因と考えられる. 移植腎の拒絶反応をはじめとした臓器障害の指標として, 実臨床では腎機能の重症度評価の指標とされる推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate ;eGFR)を反映する血清クレアチニン(Cre)値を用い...
Saved in:
Published in | Organ Biology Vol. 30; no. 1; pp. 007 - 014 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
2023
日本臓器保存生物医学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-5152 2188-0204 |
DOI | 10.11378/organbio.30.007 |
Cover
Summary: | 「1. はじめに」抗免疫療法等の進歩により移植腎の予後は年々向上し, 生着率でみた本邦での2010~2019年における現状は術後1年で96.1/98.7%(献腎/生体), 5年で87.9/93.1%(同)と報告されているが, 一方, 移植腎廃絶の原因として拒絶反応は未だ重要な位置を占めており, 移植片拒絶は移植臓器の予後に関わる大きな要因と考えられる. 移植腎の拒絶反応をはじめとした臓器障害の指標として, 実臨床では腎機能の重症度評価の指標とされる推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate ;eGFR)を反映する血清クレアチニン(Cre)値を用いるが, Cre値の上昇は様々な原因による移植腎障害を反映し拒絶反応に特異的ではない. 拒絶反応をはじめとする移植臓器障害の確定診断を得るためには, 生検という侵襲的手法に基づく病理組織診断がGold Standardとされるが移植臓器によっては不可能ですらある. |
---|---|
ISSN: | 1340-5152 2188-0204 |
DOI: | 10.11378/organbio.30.007 |