成人脊柱変形における重心動揺計を用いた立位バランスの検討

【目的】本研究の目的は,重心動揺計を用い成人脊柱変形(以下,ASD)患者における立位バランスについて調査し,さらにASD の中で体幹前傾化が重心動揺に与える影響を明らかにすることである。【方法】ASD 女性患者46 例と年齢を一致させた健常女性21 例を対象とし,重心動揺について比較した。さらに,ASD 患者をSVA(Sagittal vertical axis)>100 mm とSVA <100 mm の2 群に分類し,立位バランスについて2 群比較を行った。重心動揺は60 秒間の開眼直立姿勢にて測定した。【結果】ASD 群は健常成人と比較し重心動揺は有意に大きかった。またASD...

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Published in理学療法学 Vol. 47; no. 4; pp. 324 - 330
Main Authors 田辺, 博宣, 小原, 徹哉, 櫻井, 伸哉, 荒本, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2020
日本理学療法士協会
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.11709

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Summary:【目的】本研究の目的は,重心動揺計を用い成人脊柱変形(以下,ASD)患者における立位バランスについて調査し,さらにASD の中で体幹前傾化が重心動揺に与える影響を明らかにすることである。【方法】ASD 女性患者46 例と年齢を一致させた健常女性21 例を対象とし,重心動揺について比較した。さらに,ASD 患者をSVA(Sagittal vertical axis)>100 mm とSVA <100 mm の2 群に分類し,立位バランスについて2 群比較を行った。重心動揺は60 秒間の開眼直立姿勢にて測定した。【結果】ASD 群は健常成人と比較し重心動揺は有意に大きかった。またASD の中で,SVA >100 mm はSVA <100 mm に比し,立位バランスが有意に悪化した。【結論】本研究の結果はASD 患者における立位バランスの障害を示した。また,ASD の中でもSVA >100 mm 以上は立位バランスが悪化する傾向であった。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11709