内視鏡把持ロボット制御のための手術器具のビジュアルトラッキング
近年,内視鏡手術を支援する目的で,人間の代わりに内視鏡を把持して自動位置決めする内視鏡把持ロボットの開発が行われてきた.ロボットを自動位置決めするためには,画像処理によって手術器具を抽出・追跡するビジュアルトラッキングが重要になる.本研究では,様々な腹腔内の映像に対応できるようなビジュアルトラッキング方法の確立を目的とする.現段階では,色特徴の大きく異なる2種類の手術映像に対して,画像中の手術器具を抽出することを目指す.手術器具を抽出するために,手術器具を除く領域の色情報に注目した.RGB色空間において,この領域は基本的にR成分の値がG,B成分の値に比べて相対的に大きいという点,HSV色空間に...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S174 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual56.S174 |
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Summary: | 近年,内視鏡手術を支援する目的で,人間の代わりに内視鏡を把持して自動位置決めする内視鏡把持ロボットの開発が行われてきた.ロボットを自動位置決めするためには,画像処理によって手術器具を抽出・追跡するビジュアルトラッキングが重要になる.本研究では,様々な腹腔内の映像に対応できるようなビジュアルトラッキング方法の確立を目的とする.現段階では,色特徴の大きく異なる2種類の手術映像に対して,画像中の手術器具を抽出することを目指す.手術器具を抽出するために,手術器具を除く領域の色情報に注目した.RGB色空間において,この領域は基本的にR成分の値がG,B成分の値に比べて相対的に大きいという点,HSV色空間において,彩度は一定値以上であるという点に着目した二値化処理を行う.次にクロージングを3回行った後,ラベリングを行い300ピクセル以下の領域を削除する.さらに手術器具が常に画像端から現れることに着目し,画像端に接していない領域を削除することにより,画像中の手術器具の抽出を目指す.その後,領域の重心と傾きを利用して画像中に存在する手術器具の先端座標を導出する.検証のため,胆嚢摘出術の映像(263×193ピクセル)とS状結腸切除術の映像(286×171ピクセル)に対して提案手法を適用した.今後は先端座標の定義を明確にした後,それを真値として提案手法により得られた先端座標の評価を行っていく. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.S174 |