皮膚バリアの分子基盤と皮膚疾患の関連性、および臨床開発に向けた薬事戦略

生物は単細胞生物から多細胞生物へと進化する過程において、生体内外を隔てる障壁として上皮組織を発達させてきた。単細胞生物では単なる脂質二重膜であった生体バリアは、ヒトでは粘膜上皮、重層上皮細胞等へと進化を遂げ、上皮は隣接する細胞間隙をシールする仕組み「タイトジャンクション(TJ)」を発達させている。1993年の月田承一郎先生らによるオクルディンの発見に端を発した上皮細胞バリアの生物学の進展と相まって、皮膚等におけるTJの分子基盤に関する知見が集積しつつある。本稿では、皮膚に焦点を絞り、TJの生理機能を概説するとともに皮膚疾患とTJ機能との関連性等について紹介したい。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inDrug Delivery System Vol. 33; no. 4; pp. 268 - 272
Main Authors 橘, 敬祐, 近藤, 昌夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.09.2018
Online AccessGet full text
ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.33.268

Cover

More Information
Summary:生物は単細胞生物から多細胞生物へと進化する過程において、生体内外を隔てる障壁として上皮組織を発達させてきた。単細胞生物では単なる脂質二重膜であった生体バリアは、ヒトでは粘膜上皮、重層上皮細胞等へと進化を遂げ、上皮は隣接する細胞間隙をシールする仕組み「タイトジャンクション(TJ)」を発達させている。1993年の月田承一郎先生らによるオクルディンの発見に端を発した上皮細胞バリアの生物学の進展と相まって、皮膚等におけるTJの分子基盤に関する知見が集積しつつある。本稿では、皮膚に焦点を絞り、TJの生理機能を概説するとともに皮膚疾患とTJ機能との関連性等について紹介したい。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.33.268