低強度短時間運動負荷とトレーニングが細胞性免疫能に及ぼす影響

健康な若年者を対象とし,一過性および継続的な歩行運動の免疫能への影響を検討した.運動習慣のない健康な女子大学生 6 名を被験者とし,ルームランナーを用い歩行速度 6 km/h,1 日 30 分の歩行運動を週 6 日,3 週間運動トレーニングを実施した.採血は,運動トレーニング開始前と運動トレーニング開始 1 週間後,3 週間後のそれぞれ安静時,運動終了時に肘静脈より行った.リンパ球サブセット(フローサイトメトリー法),NK 細胞活性(LDH 法),T 細胞増殖能(PHA 刺激,MTT 法),血漿中サイトカイン濃度(ELISA 法)を測定した.NK 細胞活性,T リンパ球増殖能ともに有意な変化は...

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Published in日本補完代替医療学会誌 Vol. 4; no. 2; pp. 71 - 77
Main Authors 鈴木, 克彦, 森口, 覚, 寺田, 修, 栗原, 佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本補完代替医療学会 2007
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ISSN1348-7922
1348-7930
DOI10.1625/jcam.4.71

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Summary:健康な若年者を対象とし,一過性および継続的な歩行運動の免疫能への影響を検討した.運動習慣のない健康な女子大学生 6 名を被験者とし,ルームランナーを用い歩行速度 6 km/h,1 日 30 分の歩行運動を週 6 日,3 週間運動トレーニングを実施した.採血は,運動トレーニング開始前と運動トレーニング開始 1 週間後,3 週間後のそれぞれ安静時,運動終了時に肘静脈より行った.リンパ球サブセット(フローサイトメトリー法),NK 細胞活性(LDH 法),T 細胞増殖能(PHA 刺激,MTT 法),血漿中サイトカイン濃度(ELISA 法)を測定した.NK 細胞活性,T リンパ球増殖能ともに有意な変化は認められなかった.運動トレーニング前に比べ 3 週間後の安静時では,血漿インターロイキン 12p40 濃度に有意な減少が認められた.本研究での運動強度では,免疫細胞の機能は大きな影響を受けなかったが,運動トレーニングの継続により Th1 優位のサイトカインバランスが誘導される可能性が示唆された.
ISSN:1348-7922
1348-7930
DOI:10.1625/jcam.4.71