移植医療のための医工連携

「1. はじめに」医工連携の重要性は社会的に共通の認識となりつつあり, 国や自治体, 大学や医療機関などで様々な取り組みや施策などが進められている. 特に, ものづくりに支えられてきた国内産業の産業構造の転換や構造的な医療費問題の解決の視点から医工連携への期待は大きい. しかしながら, 多くの報告にあるように研究から開発への大きな谷を渡り, 臨床への大きな壁を乗り越え, 産業化に到達するまでの根本的な課題解決が必要である. こうした課題解決のために, ニーズに基づき, 市場性をとらえ, 医工での思考・言葉の壁を克服することが求められている. 医工連携の成果は医療技術の発達に必要不可欠であり,...

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Published inOrgan Biology Vol. 31; no. 1; pp. 044 - 048
Main Author 小原, 弘道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臓器保存生物医学会 2024
日本臓器保存生物医学会
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ISSN1340-5152
2188-0204
DOI10.11378/organbio.31.044

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Summary:「1. はじめに」医工連携の重要性は社会的に共通の認識となりつつあり, 国や自治体, 大学や医療機関などで様々な取り組みや施策などが進められている. 特に, ものづくりに支えられてきた国内産業の産業構造の転換や構造的な医療費問題の解決の視点から医工連携への期待は大きい. しかしながら, 多くの報告にあるように研究から開発への大きな谷を渡り, 臨床への大きな壁を乗り越え, 産業化に到達するまでの根本的な課題解決が必要である. こうした課題解決のために, ニーズに基づき, 市場性をとらえ, 医工での思考・言葉の壁を克服することが求められている. 医工連携の成果は医療技術の発達に必要不可欠であり, 新しい素材や計測技術, 情報処理能力の発達とともに, その位置づけはより重要になっている. 医療技術の範囲は時代とともに広がっており, 針やはさみなどのように当たり前のように利用される医療器具の数々から, 透析装置や人工心臓などの治療機器やCTやMRIをはじめ内視鏡などの診断機器, さらには予防治療のためのソフトウェアまで幅広い.
ISSN:1340-5152
2188-0204
DOI:10.11378/organbio.31.044