生体肝移植後の肝動脈仮性動脈瘤に対してカバードステントが有効であった一例

「I. はじめに」肝移植後の肝動脈吻合部における仮性動脈瘤の発生頻度は0.3-2.6%とされる稀な合併症である. しかし肝動脈吻合部における仮性動脈瘤の破裂率は21-90%とされ, 破裂した場合の死亡率は21-69%と非常に高く, 早急な対応が必要な合併症である. 今回, われわれは生体肝移植後の肝動脈吻合部仮性動脈瘤に対してカバードステント治療が有効であった一例を経験したので報告する. 「II. 症例 : 50歳代, 男性」現病歴 : 1993年頃に健康診断で肝障害を指摘, 1998年頃に血糖異常を指摘されるも, 無治療であった. 2013年6月に腹部膨満感を主訴に当院総合診療科を受診し,...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 52; no. 6; pp. 551 - 555
Main Authors 川原, 敏靖, 松野, 直徒, 斉藤, 仁十, 和田, 始, 石井, 大介, 村田, 理恵, 竹内, 利治, 内田, 浩一郎, 古川, 博之, 八巻, 利弘, 伊達, 歩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2017
日本移植学会
The Japan Society for Transplantation
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.52.6_551

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Summary:「I. はじめに」肝移植後の肝動脈吻合部における仮性動脈瘤の発生頻度は0.3-2.6%とされる稀な合併症である. しかし肝動脈吻合部における仮性動脈瘤の破裂率は21-90%とされ, 破裂した場合の死亡率は21-69%と非常に高く, 早急な対応が必要な合併症である. 今回, われわれは生体肝移植後の肝動脈吻合部仮性動脈瘤に対してカバードステント治療が有効であった一例を経験したので報告する. 「II. 症例 : 50歳代, 男性」現病歴 : 1993年頃に健康診断で肝障害を指摘, 1998年頃に血糖異常を指摘されるも, 無治療であった. 2013年6月に腹部膨満感を主訴に当院総合診療科を受診し, アルコール性肝硬変, 糖尿病の診断に至り, 当院消化器内科で加療を開始した. 2014年3月に血液検査で白血球数 (WBC), C-reactive protein (CRP) および総ビリルビン値 (T-Bil) の上昇を認め, 当院消化器内科に入院となった.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.52.6_551