重度認知症患者の暴言・拒食行動に対する応用行動分析学的介入

看取り目的で入院した重度認知症患者の暴言・拒食行動に対して応用行動分析学的介入を行った.介入前,言語聴覚療法中の平均暴言回数は29回,摂食行動は全く見られなかった.介入では,分化強化の技法を用いた.つまり,患者の暴言は消去し,適切な行動が生起した際には,称賛や身体接触などの強化刺激を付与した.拒食に対しては,食事時の環境調整と摂取した際に注目・称賛などの強化刺激を付与した.その結果,暴言は減少し,フォローアップ期にはほぼ消失した.食事は,徐々に食事摂取量が増加し,フォローアップ期には全量摂取が可能となった.今回の応用行動分析学的介入は,認知症患者の暴言,拒食行動を減少させるうえで有効に機能した...

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Published in行動リハビリテーション Vol. 7; pp. 26 - 28
Main Authors 矢作, 満, 山﨑, 裕司, 三浦, 千明, 西村, 友秀, 山﨑, 正啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 行動リハビリテーション研究会 31.03.2018
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ISSN2186-6449
2758-7924
DOI10.60218/kodoreha.7.0_26

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Summary:看取り目的で入院した重度認知症患者の暴言・拒食行動に対して応用行動分析学的介入を行った.介入前,言語聴覚療法中の平均暴言回数は29回,摂食行動は全く見られなかった.介入では,分化強化の技法を用いた.つまり,患者の暴言は消去し,適切な行動が生起した際には,称賛や身体接触などの強化刺激を付与した.拒食に対しては,食事時の環境調整と摂取した際に注目・称賛などの強化刺激を付与した.その結果,暴言は減少し,フォローアップ期にはほぼ消失した.食事は,徐々に食事摂取量が増加し,フォローアップ期には全量摂取が可能となった.今回の応用行動分析学的介入は,認知症患者の暴言,拒食行動を減少させるうえで有効に機能したものと考えられた.
ISSN:2186-6449
2758-7924
DOI:10.60218/kodoreha.7.0_26