大動脈弁狭窄症の所見を呈した人工弁感染性心内膜炎の1例

症例は, 60歳代, 男性. 大動脈弁置換術 (Carpentier-Edwards 25mm) , 僧帽弁形成術, 三尖弁形成術, Maze手術施行後46日で発熱をきたし, 人工弁感染性心内膜炎 (prosthtic valve endocarditis ; PVE) の疑いで入院した. 発熱した当初は心エコー図検査上明らかな疣贅は指摘できなかったが, 繰り返し心エコー図検査を実施すると大動脈弁に急激に増大する疣贅を認め, 疣贅が弁を塞ぎ大動脈弁狭窄症の血行動態を呈していた. 血液培養検査では staph-ylococcus capitisが検出され, バンコマイシン (vancomycin...

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Published in心臓 Vol. 45; no. 11; pp. 1402 - 1406
Main Authors 小林, 美貴子, 若林, 靖史, 竹内, 和航, 小池, 直樹, 山﨑, 恭平, 櫻井, 俊平, 恒元, 秀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
日本心臓財団・日本循環器学会
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Summary:症例は, 60歳代, 男性. 大動脈弁置換術 (Carpentier-Edwards 25mm) , 僧帽弁形成術, 三尖弁形成術, Maze手術施行後46日で発熱をきたし, 人工弁感染性心内膜炎 (prosthtic valve endocarditis ; PVE) の疑いで入院した. 発熱した当初は心エコー図検査上明らかな疣贅は指摘できなかったが, 繰り返し心エコー図検査を実施すると大動脈弁に急激に増大する疣贅を認め, 疣贅が弁を塞ぎ大動脈弁狭窄症の血行動態を呈していた. 血液培養検査では staph-ylococcus capitisが検出され, バンコマイシン (vancomycin ; VCM) , アルベカシン (arbekacin ; ABK) 投与を行った. しかし, 入院第15病日で大動脈弁圧較差の急激な上昇を認め, 完全房室ブロックも出現したため内科的治療の限界と判断し, 手術目的に転院した. PVEの診断, 治療に際しては繰り返し, 経胸壁および経食道心エコー図検査で観察し, 大動脈弁口圧較差上昇などの大動脈弁狭窄症の出現も悪化の所見の 1つとして認識し検討する必要がある.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.1402