硝酸エステルを有するdihydropyridine誘導体の脱ニトロ化反応について

〔目的〕ニトログリセリンに抗狭心症作用が認められて以来多くの硝酸エステル化合物が合成され, 現在においても虚血性心疾患治療薬として広く用いられている. これらの薬物の主代謝経路である脱ニトロ化反応は, その薬理作用と密接に関係しているとの報告もあり注目されている. 脱ニトロ化に関与する酵素として多くの研究者によりglutathione(GSH)依存性酵素の存在が示唆されてきたが, Jakobyらはこの反応にGSH-S-transferase(GST)が関与することを明らかにした. 我々は, 分子内に硝酸エステルを2個有するdihydropyridine誘導体CD-349の脱ニトロ化反応について...

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Published in薬物動態 Vol. 4; no. 3; pp. 280 - 281
Main Authors 小川, 直良, 諏訪, 俊男, 水野, 謙二, 福島, 清実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬物動態学会 1989
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.4.280

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Summary:〔目的〕ニトログリセリンに抗狭心症作用が認められて以来多くの硝酸エステル化合物が合成され, 現在においても虚血性心疾患治療薬として広く用いられている. これらの薬物の主代謝経路である脱ニトロ化反応は, その薬理作用と密接に関係しているとの報告もあり注目されている. 脱ニトロ化に関与する酵素として多くの研究者によりglutathione(GSH)依存性酵素の存在が示唆されてきたが, Jakobyらはこの反応にGSH-S-transferase(GST)が関与することを明らかにした. 我々は, 分子内に硝酸エステルを2個有するdihydropyridine誘導体CD-349の脱ニトロ化反応についてウサギ肝を用いて検討を行い, 透析可溶性画分の脱ニトロ化反応が, dithiothreitol(DTT)添加で顕著に活性化され, その活性はGST活性に相関していないことを先に報告した. 1)そこで今回, CD-349の脱ニトロ化酵素についてさらに詳細な検討を行った. 〔方法〕動物は日本白色系雄性ウサギを用い, 常法に従い肝可溶性画分を調製した.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.4.280