ステレオ内視鏡把持ロボットの自律制御に向けた視空間と関節空間の線形近似仮説に基づく視野評価指標の提案

近年,人間のカメラ助手の代わりに執刀医の意図を汲み,自律的に内視鏡を操作する内視鏡把持ロボット(内視鏡自動位置決めシステム)の研究が国内外で盛んに行われている.しかしながら,一般に,カメラ助手の内視鏡操作に関係すると予想されるパラメータは多岐にわたり,これらのパラメータと内視鏡操作の間の因果律が不明瞭でモデル化が難しく,人間の熟練カメラ助手に匹敵するきめ細かな内視鏡操作をロボットで実現するまでには至っていない.一方で,生理学の分野において,人間の空間知覚と上肢運動感覚の統合に関する研究が行われており,人間の両目と腕に似せた構造を持つハンドアイシステムにおいて,デカルト座標系の代わりにカメラ角度...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S376
Main Authors 片井, 均, 西川, 敦, 鈴木, 寿, 河合, 俊和, 田中, 淳樹, 岩本, 憲泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S376

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Summary:近年,人間のカメラ助手の代わりに執刀医の意図を汲み,自律的に内視鏡を操作する内視鏡把持ロボット(内視鏡自動位置決めシステム)の研究が国内外で盛んに行われている.しかしながら,一般に,カメラ助手の内視鏡操作に関係すると予想されるパラメータは多岐にわたり,これらのパラメータと内視鏡操作の間の因果律が不明瞭でモデル化が難しく,人間の熟練カメラ助手に匹敵するきめ細かな内視鏡操作をロボットで実現するまでには至っていない.一方で,生理学の分野において,人間の空間知覚と上肢運動感覚の統合に関する研究が行われており,人間の両目と腕に似せた構造を持つハンドアイシステムにおいて,デカルト座標系の代わりにカメラ角度と両眼視差に基づく視空間座標系を作業空間として用いると,マニピュレータの逆運動学が線形式として近似出来ることが示されている.そこで本研究では人間の身体構造が視空間と関節空間の線形性をもたらすことに着目し,新たな視野評価指標を提案し,その評価値に基づいたステレオ内視鏡把持ロボットの自律制御の確立を目指す.今回は,ステレオ内視鏡把持ロボットを執刀医の仮想的な両目,手術器具を仮想的な腕とみた仮想ハンドアイシステムにおいて,手術器具先端の視空間座標と関節角度が線形な関係になるように内視鏡を操作しているという仮定から新たな視野評価指標の提案を行い,さらに視野評価システムの構築を行ったことを報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S376