幼・小児期における上肢運動機能の発達 視標追跡描円運動課題の3次元モデル

上肢運動機能評価システムを用いて, 幼・小児期の視標追跡等速描円運動能力の発達を定量的に表現するモデルについて検討した。被験者は3歳から12歳の405名および対照として20歳の52名である。定量化には12パラメータ (動径成分ずれ平均/標準偏差・偏角成分ずれ平均/標準偏差・移動距離平均/標準偏差・x成分加速度パワースペクトル残差二乗和・y成分加速度パワースペクトル残差二乗和・筆圧平均/標準偏差・筆圧変化平均/標準偏差) を用いた。これらのパラメータに対して因子分析を行ったところ, 描画巧緻性, 顫動安定性, 筆圧安定性の3因子が抽出された。描画巧緻性および顫動安定性は双曲線的な発達を表し, 筆...

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Published in臨床神経生理学 Vol. 40; no. 2; pp. 73 - 81
Main Authors 林田, 祐樹, 橋爪, 一治, 村山, 伸樹, 伊賀崎, 伴彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 01.04.2012
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.40.73

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Summary:上肢運動機能評価システムを用いて, 幼・小児期の視標追跡等速描円運動能力の発達を定量的に表現するモデルについて検討した。被験者は3歳から12歳の405名および対照として20歳の52名である。定量化には12パラメータ (動径成分ずれ平均/標準偏差・偏角成分ずれ平均/標準偏差・移動距離平均/標準偏差・x成分加速度パワースペクトル残差二乗和・y成分加速度パワースペクトル残差二乗和・筆圧平均/標準偏差・筆圧変化平均/標準偏差) を用いた。これらのパラメータに対して因子分析を行ったところ, 描画巧緻性, 顫動安定性, 筆圧安定性の3因子が抽出された。描画巧緻性および顫動安定性は双曲線的な発達を表し, 筆圧安定性は直線的発達を示すものの, 6~7歳を境とする2段階の発達傾向がみられた。これらの結果より, 視標追跡等速描円運動能力の発達について因子分析による3次元モデルを提案する。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.40.73