2. 心臓交感神経から心臓病を診る

「はじめに」心血管病の進展に交感神経が深く関与していることは以前より知られていたが, 近年, 多臓器連関という概念のもと, 自律神経に注目した心血管病に対する研究や治療法が再びクローズアップされている. 心臓交感神経は, 心臓の生理機能に大きく影響しているだけではなく, 心不全においては最も重要な病態修飾因子のひとつであることは周知の事実であるが, その詳細なメカニズムや意義については明確な結論が出ていないのが現状である. 近年, 心筋細胞と心臓交感神経の間には, 様々な神経体液性因子を介したクロストークが存在することが明らかとなってきた. さらに, 心不全の病態生理にかかわる交感神経線維の軸...

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Published inCIRCULATION CONTROL Vol. 35; no. 3; pp. 201 - 202
Main Authors 福田, 恵一, 木村, 謙介, 金澤, 英明, 荒井, 隆秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2014
Japan Society of Circulation Control in Medicine
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.35.201

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Summary:「はじめに」心血管病の進展に交感神経が深く関与していることは以前より知られていたが, 近年, 多臓器連関という概念のもと, 自律神経に注目した心血管病に対する研究や治療法が再びクローズアップされている. 心臓交感神経は, 心臓の生理機能に大きく影響しているだけではなく, 心不全においては最も重要な病態修飾因子のひとつであることは周知の事実であるが, その詳細なメカニズムや意義については明確な結論が出ていないのが現状である. 近年, 心筋細胞と心臓交感神経の間には, 様々な神経体液性因子を介したクロストークが存在することが明らかとなってきた. さらに, 心不全の病態生理にかかわる交感神経線維の軸索伸張, 除神経, 機能変化といった現象も分子生物学的に解明されつつあり, 心臓交感神経自体にも解剖学的, 機能的変化による適応機構が存在することがわかってきた.
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.35.201