計算機で生成された訓練データを用いた機械学習による心電図異常検知

心疾患は運転時の潜在的なリスク要因であり, 特に重大な事故やドライバ自身の死亡につながる可能性が指摘されている. 心電図(ECG)をモニタするウェアラブル型センサはこの有効な解決策になると期待されており, ECG自動判定に関わる多様なECG形状の評価やノイズ対策に関わる研究がなされてきた.中でも機械学習は, 実データと理想的なデータとの間の差を検出する強力なツールである. 健常なECGパターンが訓練データとして与えられれば早期の異常検出も可能と期待されている. しかし, 実データには望ましくない不正なパターンが含まれることがあるため, 十分な訓練データを準備することは簡単ではなく, 特に医学的...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S334
Main Authors 坂東, 泰子, 吉原, 佑器, 中川, 剛, 因田, 恭也, 牧口, 実, 室原, 豊明, 渡邊, 直樹, 石井, 秀樹, 鈴木, 正信, 木下, 史也, 金森, 等
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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Summary:心疾患は運転時の潜在的なリスク要因であり, 特に重大な事故やドライバ自身の死亡につながる可能性が指摘されている. 心電図(ECG)をモニタするウェアラブル型センサはこの有効な解決策になると期待されており, ECG自動判定に関わる多様なECG形状の評価やノイズ対策に関わる研究がなされてきた.中でも機械学習は, 実データと理想的なデータとの間の差を検出する強力なツールである. 健常なECGパターンが訓練データとして与えられれば早期の異常検出も可能と期待されている. しかし, 実データには望ましくない不正なパターンが含まれることがあるため, 十分な訓練データを準備することは簡単ではなく, 特に医学的な専門家によるデータの前処理が欠かせなかった. 本報告では, モデルシミュレーションによって訓練データセットを計算機上で生成した我々の試みを紹介する. さらにこの計算機上で生成された訓練データセットを用いて, autoencoder型のニューラルネットワークを学習させ, 不整脈患者に見られる様々な波形異常を定量化できることを示す.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S334