ノズル高集積化を目指したMEMS製造技術による細胞吐出用インクジェットヘッドの開発

現在、再生医療・創薬支援などの分野において、任意の数の細胞を精密に配置する細胞パターニング技術の需要が高まっている。我々は以前、細胞懸濁液のオンデマンド吐出に特化したインクジェットヘッドについて報告している。そのインクジェットヘッドは、アクチュエータである圧電振動子の駆動パルスにより生成される膜の振動で液滴を形成、吐出している。また不吐出の間は攪拌を行い、細胞の沈降を防ぐことにより30分以上の細胞安定吐出が可能であることを示した。しかし、既報にある従来ヘッドは複数の部品を組み立てる方式を採用しており、ヘッドのサイズは構成される部品の大きさに依存していたため、小型化・ノズル高集積化が困難であった...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S416
Main Authors 瀬尾, 学ぶ, 倉持, 譲, 村松, 功一, 岡野, 覚, 高木, 大輔, 中澤, 聡, 増子, 龍也, 松本, 貴彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S416

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Summary:現在、再生医療・創薬支援などの分野において、任意の数の細胞を精密に配置する細胞パターニング技術の需要が高まっている。我々は以前、細胞懸濁液のオンデマンド吐出に特化したインクジェットヘッドについて報告している。そのインクジェットヘッドは、アクチュエータである圧電振動子の駆動パルスにより生成される膜の振動で液滴を形成、吐出している。また不吐出の間は攪拌を行い、細胞の沈降を防ぐことにより30分以上の細胞安定吐出が可能であることを示した。しかし、既報にある従来ヘッドは複数の部品を組み立てる方式を採用しており、ヘッドのサイズは構成される部品の大きさに依存していたため、小型化・ノズル高集積化が困難であった。そこで、我々は新たにMEMS技術を用いた製造方式を採用することにより、ヘッドのサイズを従来ヘッドの1/10以下に小型化した新規インクジェットヘッドを開発した。これによりノズルを高集積化したマルチノズルヘッドの実現が可能な見込みであり、細胞吐出生産性を大幅に改善することが期待できる。本発表では、新規インクジェットヘッドを用いた細胞パターニングに関する基礎検討結果について報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S416