前頭蓋窩硬膜動静脈瘻 手術例の検討

「はじめに」 前頭蓋窩硬膜動静脈瘻(DAVF)は頭蓋内DAVFのうち6%を占める比較的まれな疾患である3). 中年以降の男性に好発し, 発生学的にはlateral epidural groupに分類される8). 出血発症例が多く3)10)16), 再出血予防のため積極的に治療を行うことが勧められている12)14)16). 出血例に対する現在の標準的治療は, 開頭下の硬膜内血管からcortical veinへの流出路の遮断術で, 高い根治性と低い合併症率が報告されている1)2)10)12)14)16). しかし, 少数ながら手術合併症も報告されていることから2)17), 無症候例に対して, 出血...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 1; pp. 7 - 13
Main Authors 前原, 健寿, 菅原, 貴志, 清川, 樹里, 山崎, 信吾, 吉野, 義一, 竹本, 暁, 石井, 洋介, 大野, 喜久郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.7

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Summary:「はじめに」 前頭蓋窩硬膜動静脈瘻(DAVF)は頭蓋内DAVFのうち6%を占める比較的まれな疾患である3). 中年以降の男性に好発し, 発生学的にはlateral epidural groupに分類される8). 出血発症例が多く3)10)16), 再出血予防のため積極的に治療を行うことが勧められている12)14)16). 出血例に対する現在の標準的治療は, 開頭下の硬膜内血管からcortical veinへの流出路の遮断術で, 高い根治性と低い合併症率が報告されている1)2)10)12)14)16). しかし, 少数ながら手術合併症も報告されていることから2)17), 無症候例に対して, 出血例と同様に開頭術で治療するかについては議論がある7). 特にMRIの普及とともに無症候性のDAVFが多く発見されるようになったことで, 自然経過での出血率が従来の報告と異なる可能性があることから, 開頭術だけでなく血管内治療や放射線治療, さらには保存的治療も含めて慎重に治療を検討する必要がある.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.7