3次元解析システムと荷重位CTを用いた楔状骨周囲と母趾列の関節可動性の評価~健常足と外反母趾足の比較

外反母趾患者の足部は,荷重が加わることで,変形の増大,症状の出現・増悪が認められる.そのため,評価には立位の単純X線像が用いられている.しかし,足部の骨は3次元的に配列しており,荷重による変化も3次元的である.そのため,詳細な検討には,立位CTでの評価が理想と考えられるが,立位で撮影可能なCTは本邦には導入されていない.そこで,我々は,現状のCT装置下で使用可能で,体重と同等の負荷を加えることが可能な荷重装置を自主製作した.本装置を使用し,足部疾患を持たない健常足11足と,外反母趾患者11足に対して,非荷重位と体重と同等の荷重を加えた荷重位CTを撮影した.得られた画像をセグメンテーションにより...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S293
Main Authors 鈴木, 直樹, 丸毛, 啓史, 窪田, 誠, 服部, 麻木, 木村, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S293

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Summary:外反母趾患者の足部は,荷重が加わることで,変形の増大,症状の出現・増悪が認められる.そのため,評価には立位の単純X線像が用いられている.しかし,足部の骨は3次元的に配列しており,荷重による変化も3次元的である.そのため,詳細な検討には,立位CTでの評価が理想と考えられるが,立位で撮影可能なCTは本邦には導入されていない.そこで,我々は,現状のCT装置下で使用可能で,体重と同等の負荷を加えることが可能な荷重装置を自主製作した.本装置を使用し,足部疾患を持たない健常足11足と,外反母趾患者11足に対して,非荷重位と体重と同等の荷重を加えた荷重位CTを撮影した.得られた画像をセグメンテーションにより3次元化し,ICPアルゴリズムを用いて足部の母趾列を構成する各関節および,楔状骨周囲の各関節の荷重前後での変位を定量化した.その結果,外反母趾では健常足と比較し,母趾列および内側-中間楔状骨関節における荷重後の変位量が有意に大きく,不安定性が存在するものと示唆された.外反母趾足ではこれまで第1TMT関節(内側楔状骨と第1中足骨との関節)の不安定性は数多く報告されてきたが,その他の関節でも認められたという報告はこれまでにない.本手法を用いることで,足部疾患の病態解明や,新たな治療法の開発に有用なデータが得られると考えられた.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S293