ペンドラムテストにおける下腿部支持解除の反射評価結果への影響

筆者らのペンドラムテストでは、その実施手続きを単純化するために、従来、座位に保った被験者の下肢をテスト開始直前まで験者が手で支えるという手法をとってきた。しかし、このときの下肢の支持力は、ペンドラムテストが開始されたのちにもしばらくの間完全には消滅せず、残ってしまう傾向があった。本研究ではこのような残余の支持力の下腿部運動への影響をシミュレーションによって解析した。この際、残余の支持力は時間とともに直線的に減少すると仮定した。解析に利用するシミュレータは既存の下腿部運動のシミュレータに支持力の残余機能を付加して構成した。下腿部運動への影響はこのシミュレータで摸擬した波形と実測した波形とを比較す...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S187
Main Authors 山本, 尚武, 楠原, 俊昌, 軸屋, 和明, 道西, 博行, 中村, 隆夫, 岡本, 卓爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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Summary:筆者らのペンドラムテストでは、その実施手続きを単純化するために、従来、座位に保った被験者の下肢をテスト開始直前まで験者が手で支えるという手法をとってきた。しかし、このときの下肢の支持力は、ペンドラムテストが開始されたのちにもしばらくの間完全には消滅せず、残ってしまう傾向があった。本研究ではこのような残余の支持力の下腿部運動への影響をシミュレーションによって解析した。この際、残余の支持力は時間とともに直線的に減少すると仮定した。解析に利用するシミュレータは既存の下腿部運動のシミュレータに支持力の残余機能を付加して構成した。下腿部運動への影響はこのシミュレータで摸擬した波形と実測した波形とを比較することにより解析した。このときの残余の支持力の持続時間は、両者の波形が極力一致するように、実測した波形を逆シミュレーションすることにより決定した。この結果、残余支持力の機能を付加すれば、シミュレータの精度が大幅に向上することが明らかになった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S187