Thioredoxin-1による移植後早期膵島障害の抑制に関する研究
「I. はじめに」膵島移植の成績向上のためには, 酸化ストレスの制御が一つの重要な因子であると考えられている. Thioredoxin-1(TRX)は, 多彩な機能を有する酸化還元酵素で, 抗酸化作用を有する物質である. さらに近年, 抗炎症作用や抗アポトーシス作用を有することも判明してきている. そこで今回, TRXが膵島移植の成績向上に有用な薬剤となりうるのではないかと考え検討を行った. 利益相反の申告について, 共著者である淀井淳司氏は, 本研究にTRXを供与したRedox Bioscience社の役員・株主であるが, それ以外に申告すべき特許, 開発中物品, 製品等の事項はない. この...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 52; no. 1; pp. 038 - 050 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2017
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
Subjects | |
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.52.1_038 |
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Summary: | 「I. はじめに」膵島移植の成績向上のためには, 酸化ストレスの制御が一つの重要な因子であると考えられている. Thioredoxin-1(TRX)は, 多彩な機能を有する酸化還元酵素で, 抗酸化作用を有する物質である. さらに近年, 抗炎症作用や抗アポトーシス作用を有することも判明してきている. そこで今回, TRXが膵島移植の成績向上に有用な薬剤となりうるのではないかと考え検討を行った. 利益相反の申告について, 共著者である淀井淳司氏は, 本研究にTRXを供与したRedox Bioscience社の役員・株主であるが, それ以外に申告すべき特許, 開発中物品, 製品等の事項はない. このことは著者らによるPLOS ONE投稿規定の遵守を妨げるものではない. 「II. 研究背景」膵島移植は近年の技術進歩に伴い発展をとげ, 2000年にカナダのアルバータ大学により開発されたエドモントンプロトコルは, 1型糖尿病患者のインスリン離脱を可能にした. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.52.1_038 |