体表上とX 線像上で測定したcarrying angle の比較

【目的】体表上とX 線像上で測定したcarrying angle(以下,CA)を比較し,その相違について検討すること。【方法】健常成人97 名194 肘を対象とした。体表上では上腕長軸と前腕長軸とのなす角度をゴニオメーターにて測定した(以下,体表法)。X 線像上では上腕骨軸と尺骨軸とのなす角度(以下,XP-a 法)と,近位橈尺関節と橈骨粗面を結んだ線と上腕骨軸とのなす角度(以下,XP-b 法)の2 通りの測定を行った。各々のCA を比較し,影響を及ぼす因子について解析した。【結果】各方法間でCA の有意な差を認め,体表法の角度が小さかった。体表法では前腕最大周径と上腕長が,XP-a 法とXP-...

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Published in理学療法学 Vol. 48; no. 5; pp. 523 - 529
Main Authors 相良, 優太, 野﨑, 貴博, 本多, 一平, 幸田, 仁志, 杉田, 憲彦, 本田, 祐造
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人日本理学療法士協会 2021
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】体表上とX 線像上で測定したcarrying angle(以下,CA)を比較し,その相違について検討すること。【方法】健常成人97 名194 肘を対象とした。体表上では上腕長軸と前腕長軸とのなす角度をゴニオメーターにて測定した(以下,体表法)。X 線像上では上腕骨軸と尺骨軸とのなす角度(以下,XP-a 法)と,近位橈尺関節と橈骨粗面を結んだ線と上腕骨軸とのなす角度(以下,XP-b 法)の2 通りの測定を行った。各々のCA を比較し,影響を及ぼす因子について解析した。【結果】各方法間でCA の有意な差を認め,体表法の角度が小さかった。体表法では前腕最大周径と上腕長が,XP-a 法とXP-b 法では前腕長が影響を及ぼす因子として抽出された。【結論】体表上とX 線像上での測定ではCA に相違があり,体型因子が測定結果に影響を及ぼすことが示された。スポーツ検診等での測定を考慮すると,X 線像上での測定結果と等値となるような体表上での測定方法の検討が必要である。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.12038