不整脈原性右室心筋症の診断基準を満たした心臓サルコイドーシスの1例

症例は69歳女性,動悸を主訴に近医受診した.持続性心室頻拍を認め,電気的カルディオバージョンを施行後に当院転院となった.12誘導心電図では三束ブロックを呈し,経胸壁心エコーでは右室拡大と右室壁運動異常を認めた.鑑別診断として不整脈原性右室心筋症と,ぶどう膜炎の既往を有することからサルコイドーシスが考えられた.右室中隔からの心筋生検では有意な所見は得られなかった.心臓MRIでは右室自由壁,右室・左室中隔と,左室下壁に心外膜側優位に遅延造影を認めた.18F-FDG PETでは心室中隔基部,下壁優位に限局性集積を認めた.また両側縦隔肺門部リンパ節腫大ならびに集積を認めた.右肺リンパ節生検にて非乾酪性...

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Published in心臓 Vol. 53; no. 12; pp. 1332 - 1339
Main Authors 塩野, 泰紹, 久保, 隆史, 樽谷, 玲, 柏木, 学, 田中, 篤, 穂積, 健之, 横山, 真央, 黒井, 章央, 谷本, 貴志, 赤阪, 隆史, 嶋村, 邦宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.12.2021
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.53.1332

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Summary:症例は69歳女性,動悸を主訴に近医受診した.持続性心室頻拍を認め,電気的カルディオバージョンを施行後に当院転院となった.12誘導心電図では三束ブロックを呈し,経胸壁心エコーでは右室拡大と右室壁運動異常を認めた.鑑別診断として不整脈原性右室心筋症と,ぶどう膜炎の既往を有することからサルコイドーシスが考えられた.右室中隔からの心筋生検では有意な所見は得られなかった.心臓MRIでは右室自由壁,右室・左室中隔と,左室下壁に心外膜側優位に遅延造影を認めた.18F-FDG PETでは心室中隔基部,下壁優位に限局性集積を認めた.また両側縦隔肺門部リンパ節腫大ならびに集積を認めた.右肺リンパ節生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,心臓サルコイドーシスの診断に至った.不整脈原性右室心筋症の診断基準を満たしたが,心外病変からのアプローチにより最終的に心臓サルコイドーシスと診断した症例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.53.1332