PETアミロイドイメージングのための空間分解能を損なわないノイズ低減アルゴリズムの臨床画像による評価

アルツハイマー病(AD)は、認知機能の低下が起こり始める前に発見することが重要である。ADの原因物質であるアミロイドβ(Aβ)の集積を観察する方法の1つとして、PETが用いられている。しかし、Aβの集積量が非常に微量な初期段階では、PETのノイズに埋もれてしまうため、読影が困難である。そこで我々は、空間分解能を維持しつつノイズを低減するアルゴリズム(CAKS)を開発している。通常のノイズ低減アルゴリズムでは、隣接している画素の空間情報を使用し平滑化などが行われるが、CAKSでは、薬剤の動態が類似している画素をまとめ、平均化することでノイズを低減しているため、従来法と比べ空間分解能が落ちにくい。...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S294
Main Authors 山田, 誉大, 木村, 裕一, 藤井, 康介, 渡辺, 翔吾, 永岡, 隆, 根本, 充貴, 花岡, 宏平, 甲斐田, 勇人, 石井, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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Summary:アルツハイマー病(AD)は、認知機能の低下が起こり始める前に発見することが重要である。ADの原因物質であるアミロイドβ(Aβ)の集積を観察する方法の1つとして、PETが用いられている。しかし、Aβの集積量が非常に微量な初期段階では、PETのノイズに埋もれてしまうため、読影が困難である。そこで我々は、空間分解能を維持しつつノイズを低減するアルゴリズム(CAKS)を開発している。通常のノイズ低減アルゴリズムでは、隣接している画素の空間情報を使用し平滑化などが行われるが、CAKSでは、薬剤の動態が類似している画素をまとめ、平均化することでノイズを低減しているため、従来法と比べ空間分解能が落ちにくい。実際の臨床画像に対してCAKSを適用した結果、空間分解能の維持及びノイズが低減されたことで、従来法では困難であった白質と灰白質の境界が視認できるほど画像が鮮明になった。また、白質と灰白質のコントラストを統計的に評価した結果、両者に有意な差(p<.05)が認められた。これらの結果から、PETアミロイドイメージングに対するCAKSの有効性が示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S294