和朝食の継続摂取が脳活動の活性化に及ぼす影響

健康な男性54名 (20‐59歳) を対象に, 朝食として米飯和食 (試験食) とパン食 (対照食) をそれぞれ外食, 内食で2週間継続摂取するクロスオーバーオープン試験を実施した。摂取期間の前後は2週間の欠食でウオッシュアウトした。試験食のタンパク質量は22‐28 gで1日に必要なタンパク質の1/3程度とした。対照食のタンパク質量は11‐12 gで, 食事全体の熱量は両者同等程度とした。両群に対し, Rapid Visual Information Processing (RVIP), Digital Vigilance Testにより脳の認知機能の評価と課題実施中の大脳の背外側前頭前野の血...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 78; no. 3; pp. 159 - 165
Main Authors 村田, 裕之, 辻, 智子, 岡田, 拓也, 梶原, 伸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2025
日本栄養・食糧学会
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.78.159

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Summary:健康な男性54名 (20‐59歳) を対象に, 朝食として米飯和食 (試験食) とパン食 (対照食) をそれぞれ外食, 内食で2週間継続摂取するクロスオーバーオープン試験を実施した。摂取期間の前後は2週間の欠食でウオッシュアウトした。試験食のタンパク質量は22‐28 gで1日に必要なタンパク質の1/3程度とした。対照食のタンパク質量は11‐12 gで, 食事全体の熱量は両者同等程度とした。両群に対し, Rapid Visual Information Processing (RVIP), Digital Vigilance Testにより脳の認知機能の評価と課題実施中の大脳の背外側前頭前野の血行動態を測定した。続けてAlternative Uses Taskで創造性を評価した。その結果, いずれの食事もRVIPの正答率を有意に向上させたが, 課題中の脳血流量の増加は試験食でのみ認められ, 認知能力の向上と脳の活性化が示唆された。心拍数は試験食群で高く, 全身の血流が改善したことを示唆した。これらの結果は, 米飯をベースとした和食の朝食が認知機能および生理機能に有益であることを示唆している。
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.78.159