ディープラーニングを用いた医用画像読影における病変部の視線の動きの分類

医用画像読影は極めて高度で専門的な手技のひとつであり、コンピュータ診断技術が普及しても、人間の読影技術向上は必要である。しかし読影技術は習得に時間がかかるため、効率的で有益な指導が必要となる。これまで受信者動作特性などが読影の教育で用いられてきたが、アウトカム評価から読影プロセスへの改善要求は有益ではなく、読影プロセスを直接評価できれば、適切にフィードバックできると考えた。多くの先行研究では、読影プロセスを把握する方法として、視線追跡装置で得られる目の動きを用いている。そこで本研究では、読影プロセスの中でも病変部の認識に焦点を絞り、医用画像読影中の視線データから、病変認識を表すパターンを分類す...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S411
Main Authors 土井, 邦雄, 堤, 翔子, 寺下, 貴美, 小倉, 敏裕, 佐藤, 充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S411

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Summary:医用画像読影は極めて高度で専門的な手技のひとつであり、コンピュータ診断技術が普及しても、人間の読影技術向上は必要である。しかし読影技術は習得に時間がかかるため、効率的で有益な指導が必要となる。これまで受信者動作特性などが読影の教育で用いられてきたが、アウトカム評価から読影プロセスへの改善要求は有益ではなく、読影プロセスを直接評価できれば、適切にフィードバックできると考えた。多くの先行研究では、読影プロセスを把握する方法として、視線追跡装置で得られる目の動きを用いている。そこで本研究では、読影プロセスの中でも病変部の認識に焦点を絞り、医用画像読影中の視線データから、病変認識を表すパターンを分類することを目的とした。 読影画像には、公開されている画像データベースから、結節病変が有る胸部単純X線像46枚を用いた。視線データの取得には放射線学部学生9名と診療放射線技師7名が参加し、赤外線視線追跡システムを用いて、読影中の視線を取得した。まず、100ミリ秒ごとの視線データから軌跡を描画したパッチ画像を作成した。次に視線データを凝視と跳躍運動に分け、かつ病変部分の凝視にラベルを付けた。最後に、教師学習によって視線の軌跡画像を分類し、結果から病変を認識していると思われる目の動きを推定した。 結果より、視点を中心とした視野内に病変部が入った時だけ出現する目の動きを特定することが可能であった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S411