自然縮小・消退を認めた先天性真珠腫の3例
1991年1月~2012年6月まで、当科において扱った先天性真珠腫42例において、鼓室形成術を予定していたが時間の経過とともに徐々に真珠腫の縮小を認めた1歳4ヶ月男児、2歳9ヶ月男児、3歳8ヶ月の女児の計3例と、逆に増大傾向を認めたため経鼓膜的摘出から鼓室形成術に変更した1歳9ヶ月男児の1例を供覧した。 先天性真珠腫は手術治療が原則であるが、乳幼児の場合は感染や炎症の合併により急速に増大する例もあり、術前からも注意深い経過観察が必要と思われた。また、経過観察中に真珠腫の縮小傾向を認めた症例に限っては、再増大傾向を見逃さない様に慎重に経過を見つつ、耳管機能が安定し治療の協力が得られる時期の手術を...
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Published in | Otology Japan Vol. 22; no. 5; pp. 820 - 826 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳科学会
2012
日本耳科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0917-2025 1884-1457 |
DOI | 10.11289/otoljpn.22.820 |
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Summary: | 1991年1月~2012年6月まで、当科において扱った先天性真珠腫42例において、鼓室形成術を予定していたが時間の経過とともに徐々に真珠腫の縮小を認めた1歳4ヶ月男児、2歳9ヶ月男児、3歳8ヶ月の女児の計3例と、逆に増大傾向を認めたため経鼓膜的摘出から鼓室形成術に変更した1歳9ヶ月男児の1例を供覧した。 先天性真珠腫は手術治療が原則であるが、乳幼児の場合は感染や炎症の合併により急速に増大する例もあり、術前からも注意深い経過観察が必要と思われた。また、経過観察中に真珠腫の縮小傾向を認めた症例に限っては、再増大傾向を見逃さない様に慎重に経過を見つつ、耳管機能が安定し治療の協力が得られる時期の手術を見すえて、縮小の推移を観察していくことも選択肢の一つと思われた。 |
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ISSN: | 0917-2025 1884-1457 |
DOI: | 10.11289/otoljpn.22.820 |