新型コロナウイルス感染症の乳癌患者への影響―Webアンケート結果より

目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が乳癌患者に及ぼす影響について調査し,感染拡大下での乳癌診療について検討すること.方法:乳癌と診断されたオンライン患者会会員を対象に,異なる時期に2回Webアンケートを実施し,COVID-19による乳癌診療や日常生活,就労,精神面への影響について調査した.初回は緊急事態宣言発令後の2020年4月,2回目は第三波到来後の2020年12月に行った.結果:感染拡大による乳癌診療への影響は,初回25%,2回目15%で,自己判断で通院を延期した患者は,2回とも全体の25%程度いた.自身や家族の感染への不安は,初回・2回目ともに95%程度と高かった.定期癌...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 1; pp. 1 - 11
Main Authors 山田, 典和, 森, 美樹, 岩本, 久幸, 鳥居, 隼, 戸崎, 達, 鈴木, 瞳, 石黒, 清介, 吉川, 卓宏, 並木, 完憲, 大久保, 雄一郎, 堤, 知佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.1

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Summary:目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が乳癌患者に及ぼす影響について調査し,感染拡大下での乳癌診療について検討すること.方法:乳癌と診断されたオンライン患者会会員を対象に,異なる時期に2回Webアンケートを実施し,COVID-19による乳癌診療や日常生活,就労,精神面への影響について調査した.初回は緊急事態宣言発令後の2020年4月,2回目は第三波到来後の2020年12月に行った.結果:感染拡大による乳癌診療への影響は,初回25%,2回目15%で,自己判断で通院を延期した患者は,2回とも全体の25%程度いた.自身や家族の感染への不安は,初回・2回目ともに95%程度と高かった.定期癌検診の延期は26%に認められた.精神面では,日本版K6の結果で,AYA世代と単身世帯の患者の,うつ・不安障害の程度が特に高い傾向がみられた.結論:Webアンケートにより,COVID-19感染拡大が乳癌診療に及ぼす影響を患者目線で把握できた.今後,withコロナでの適切な乳癌診療と心理サポートが必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.1