特発性総頚動脈解離性動脈瘤にステント併用コイル塞栓術を施行した1 例

【目的】我々は瘤形成を呈した特発性総頚動脈解離に対してステント併用コイル塞栓術を施行し,良好な結果を得た1 例を経験したので報告する.【症例】68 歳男性.左頚部痛を主訴に受診し3DCTA にて総頚動脈解離と診断した.経過観察中に瘤様変化を認めた.動脈瘤は体表からも拍動性腫瘤として観察できた.ステント併用下コイル塞栓術を行い拍動性腫瘤は消退した.その後2 年間の経過観察を行っているが再発を認めていない.【結論】解離性総頚動脈には保存的治療が第一選択であるが,動脈瘤形成変化を来す場合があり,追跡画像検査が必要である.瘤形成を生じた場合には自然治癒が期待しにくいために外科的治療が考慮される.ステン...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 8; no. 4; pp. 213 - 217
Main Authors 橋本, 孝朗, 岡田, 博史, 田中, 悠二郎, 加藤, 大地, 河野, 道宏, 渡辺, 大介, 一桝, 倫生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2014
日本脳神経血管内治療学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1882-4072
2186-2494
DOI10.5797/jnet.cr.14002

Cover

More Information
Summary:【目的】我々は瘤形成を呈した特発性総頚動脈解離に対してステント併用コイル塞栓術を施行し,良好な結果を得た1 例を経験したので報告する.【症例】68 歳男性.左頚部痛を主訴に受診し3DCTA にて総頚動脈解離と診断した.経過観察中に瘤様変化を認めた.動脈瘤は体表からも拍動性腫瘤として観察できた.ステント併用下コイル塞栓術を行い拍動性腫瘤は消退した.その後2 年間の経過観察を行っているが再発を認めていない.【結論】解離性総頚動脈には保存的治療が第一選択であるが,動脈瘤形成変化を来す場合があり,追跡画像検査が必要である.瘤形成を生じた場合には自然治癒が期待しにくいために外科的治療が考慮される.ステントを併用するコイル塞栓術は母血管も温存される低侵襲であり,治療選択の一つとして検討すべきと考えられた.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.cr.14002