振動刺激による運動錯覚が固有感覚機能に及ぼす影響

〔目的〕近年,固有感覚の重要性が指摘されている.固有感覚機能には末梢に存在する固有感覚受容器の働きが重要な役割を持つが,固有感覚受容器からの求心性の情報が大脳皮質に伝わることが重要である.本研究では脳の運動錯覚を惹起することのできる振動刺激に着目し,振動刺激が膝関節固有感覚に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象および方法〕健常26膝の,①安静,②振動刺激,③等尺性筋収縮前後の膝関節位置覚を測定した.関節位置覚は膝関節屈曲90°から角速度0.25°/secで屈曲し,105°での測定誤差角度を測定した.振動刺激部位は大腿四頭筋遠位複合腱部とし,周波数は90 Hzとした.各介入前後および...

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Published in理学療法科学 Vol. 33; no. 3; pp. 385 - 388
Main Authors 粕渕, 賢志, 神里, 巌, 城野, 靖朋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2018
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.33.385

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Summary:〔目的〕近年,固有感覚の重要性が指摘されている.固有感覚機能には末梢に存在する固有感覚受容器の働きが重要な役割を持つが,固有感覚受容器からの求心性の情報が大脳皮質に伝わることが重要である.本研究では脳の運動錯覚を惹起することのできる振動刺激に着目し,振動刺激が膝関節固有感覚に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象および方法〕健常26膝の,①安静,②振動刺激,③等尺性筋収縮前後の膝関節位置覚を測定した.関節位置覚は膝関節屈曲90°から角速度0.25°/secで屈曲し,105°での測定誤差角度を測定した.振動刺激部位は大腿四頭筋遠位複合腱部とし,周波数は90 Hzとした.各介入前後および条件間での比較を行った.〔結果〕振動刺激介入後および筋収縮介入後は測定誤差角度が小さくなり(p<0.05),固有感覚の向上がみられた.〔結語〕局所への振動刺激による運動錯覚は膝関節固有感覚を向上させることが示された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.33.385