群馬県片品村尾瀬ヶ原で採集された蚊幼虫

「緒言」 尾瀬ケ原は群馬県片品村, 福島県檜枝岐村, 新潟県魚沼市にまたがる尾瀬国立公園内にある本州最大の湿原で, 特別保護地区に指定されている(群馬県, 2022). また, 全域が特別天然記念物にも指定されているため尾瀬ヶ原における動植物の採集は禁止されている. このため, 保護を目的とした生物相調査など学術的な動植物などの採集にも特別な許可が必要となり, 蚊相についても十分に明らかにはなっていない. 日本国内を網羅した蚊の調査は, La Casse and Yamaguti (1950), 上村(1968)およびTanaka et al. (1979)により報告されている. また最近では...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 75; no. 1; pp. 17 - 19
Main Authors 新妻, 淳, 金杉, 隆雄, 渡辺, 護, 佐々木, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 25.03.2024
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Summary:「緒言」 尾瀬ケ原は群馬県片品村, 福島県檜枝岐村, 新潟県魚沼市にまたがる尾瀬国立公園内にある本州最大の湿原で, 特別保護地区に指定されている(群馬県, 2022). また, 全域が特別天然記念物にも指定されているため尾瀬ヶ原における動植物の採集は禁止されている. このため, 保護を目的とした生物相調査など学術的な動植物などの採集にも特別な許可が必要となり, 蚊相についても十分に明らかにはなっていない. 日本国内を網羅した蚊の調査は, La Casse and Yamaguti (1950), 上村(1968)およびTanaka et al. (1979)により報告されている. また最近では, 前川ら(2016)によって蚊の全国調査が行われているが, これらの調査結果を見ても, 尾瀬における蚊の採集記録はとても少なく, Tanaka et al. (1979)によってエゾヤブカAedes esoensis Yamada, ヤマトヤブカAe. japonicus (Theobald)とミスジハボシカCuliseta kanayamensis (Yamada)が記録されているに過ぎない.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.75.17