救急医療においてMSWの介入に影響を与える因子の検証

【要旨】目的:医療ソーシャルワーカー(MSW)介入の必要性を評価するために当院で使用しているソーシャルハイリスク(SHR)シートを解析し, MSW介入に影響する要因を明らかにする. 方法:平成26年7月1日~10月31日に当救命救急センターに入院した患者を対象とした. 患者基本情報6項目, SHRシート9項目(SHR要因), 入院原因8項目, 以上の各項目とMSW介入の関連を検討した. 統計手法にはロジスティック回帰分析を用いた. 結果:189名の患者情報が調査された. MSW介入があった患者の62%では, 何らかのSHR要因が認められた. 入院日数7日以上, 転院, 意思決定能力が低い, 転...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 21; no. 3; pp. 478 - 487
Main Authors 小島好子, 阿江竜介, 笹原鉄平, 古城隆雄, 角田圭佑, 米川力, 森澤雄司, 鈴川正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床救急医学会 30.06.2018
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Summary:【要旨】目的:医療ソーシャルワーカー(MSW)介入の必要性を評価するために当院で使用しているソーシャルハイリスク(SHR)シートを解析し, MSW介入に影響する要因を明らかにする. 方法:平成26年7月1日~10月31日に当救命救急センターに入院した患者を対象とした. 患者基本情報6項目, SHRシート9項目(SHR要因), 入院原因8項目, 以上の各項目とMSW介入の関連を検討した. 統計手法にはロジスティック回帰分析を用いた. 結果:189名の患者情報が調査された. MSW介入があった患者の62%では, 何らかのSHR要因が認められた. 入院日数7日以上, 転院, 意思決定能力が低い, 転倒, の4項目がMSW介入と有意に関連した. 結論:上記の4因子は, 救急医療におけるMSW介入要因である可能性が示唆された. またSHRシートはMSW介入の必要性を抽出するために有用であるが, 本研究結果を踏まえたさらなる改良が課題である.
ISSN:1345-0581
DOI:10.11240/jsem.21.478