3次元動画、画像による側頭骨臨床解剖教育の効果について
目的) 若手医師、医学部生を対象に3次元 (以下3D) 動画による側頭骨臨床解剖、3D側頭骨CTに関する講習を行った。その教育効果を解析する。 方法) 3D教材の効果をみるために、若手医師向け教材と医学生向け教材を作成し以下2つの試みを行った。 1) 若手医師向けには側頭骨臨床解剖教育動画 (経迷路法、経中頭蓋窩法それぞれ2つの手術アプローチに関する動画) を作成した。その動画を専修医を含む経験年数の若い医師に視聴させた後、質問紙に回答してもらった。2) 医学部生には3D-CT画像あるいは2次元 (以下2D) -CT画像を用いた教材で講義を行い、教育効果について解析した。 結果) 3D動画視聴...
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Published in | Otology Japan Vol. 22; no. 3; pp. 205 - 208 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳科学会
2012
日本耳科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-2025 1884-1457 |
DOI | 10.11289/otoljpn.22.205 |
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Summary: | 目的) 若手医師、医学部生を対象に3次元 (以下3D) 動画による側頭骨臨床解剖、3D側頭骨CTに関する講習を行った。その教育効果を解析する。 方法) 3D教材の効果をみるために、若手医師向け教材と医学生向け教材を作成し以下2つの試みを行った。 1) 若手医師向けには側頭骨臨床解剖教育動画 (経迷路法、経中頭蓋窩法それぞれ2つの手術アプローチに関する動画) を作成した。その動画を専修医を含む経験年数の若い医師に視聴させた後、質問紙に回答してもらった。2) 医学部生には3D-CT画像あるいは2次元 (以下2D) -CT画像を用いた教材で講義を行い、教育効果について解析した。 結果) 3D動画視聴により、新たに理解できた解剖部位は、1年目医師では「顔面神経」であり、4年目医師では「内耳道」であった。耳鼻咽喉科経験年数を経るにしたがって理解度も向上していた。学生では3D教材による講義は2D教材と比較してより短時間で同じ効果を得た。 結論) 3D教材は理解度の向上、教育の効率化に貢献する可能性を見出した。今後も改良を行って医師・医学部生に対して3D画像・動画による教育システムを検討したい。理解度を評価する方法として試験や質問票の確立も重要である。また、本稿ではご遺体に関する最近のガイドラインについても紹介し、今後の臨床解剖教育の問題点についても言及した。 |
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ISSN: | 0917-2025 1884-1457 |
DOI: | 10.11289/otoljpn.22.205 |