新生児呼吸窮迫症候群における酸素化障害と気管内吸引液中メディエーターの推移
新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) における急性肺傷害の発現と組織修復機転の始動時期の関係を明らかにするため, 両者の関連因子であるInterleukin-8 (IL-8) 及びTransforming factorβ-1 (TGFβ-1) の気管内吸引液中の推移を検討した。対象は出生直後より人工呼吸管理を要したRDS患児20例で, 急性肺傷害の臨床的指標として動脈血液ガス分析上のPaO2/FiO2に準じ経皮酸素分圧/吸入気酸素濃度分画 (TcPO2/FiO2)≦300であったA群10例とTcpO2/FiO2>300であったB群10例に分類した。両群間で在胎週数, 出生体重, Apgar...
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Published in | 日本小児呼吸器疾患学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 7 - 12 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児呼吸器疾患学会
2002
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Subjects | |
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ISSN | 0918-3876 2185-3754 |
DOI | 10.5701/jjpp.13.7 |
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Summary: | 新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) における急性肺傷害の発現と組織修復機転の始動時期の関係を明らかにするため, 両者の関連因子であるInterleukin-8 (IL-8) 及びTransforming factorβ-1 (TGFβ-1) の気管内吸引液中の推移を検討した。対象は出生直後より人工呼吸管理を要したRDS患児20例で, 急性肺傷害の臨床的指標として動脈血液ガス分析上のPaO2/FiO2に準じ経皮酸素分圧/吸入気酸素濃度分画 (TcPO2/FiO2)≦300であったA群10例とTcpO2/FiO2>300であったB群10例に分類した。両群間で在胎週数, 出生体重, Apgar score, CLD発症数, 出生後の気管内吸引液中IL-8及びTGFβ-1濃度の推移について比較検討した。在胎週数・Apgar scoreはA群がB群に比し低かったが, 出生体重に両群間で差はなかった。CLD症例数はA群がB群に比し多かった。IL-8及びTGFβ-1はA群で出生24時間後から上昇し高値が持続したが, B群では上昇しなかった。肺傷害が高度なRDS症例では, 出生後24時間以内に組織傷害のみならず修復機転が働いていると考えられた。 |
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ISSN: | 0918-3876 2185-3754 |
DOI: | 10.5701/jjpp.13.7 |