ヒト体表のバイオフォトン画像及び分光分析による酸化ストレス計測法の検討

生体はバイオフォトンと呼ばれる極微弱な自発的発光を示すことが知られている.バイオフォトンの発生には,生体のエネルギー代謝過程や,環境汚染物質や紫外線などを原因として産生される活性酸素種が関与していることから,生体の酸化ストレス状態を反映するものと考えられている.一方,生体は太陽光や室内光などの環境光により,遅延発光と呼ばれる長寿命な極微弱発光を示すことも知られており,主に皮膚に内在する蛍光性色素の光励起や,それに続く化学的励起過程に起因するものと考えられ,また光増感反応との関連も示唆されている.われわれは,超高感度画像計測システムや同時多波長分光分析システムの開発を行ない,ヒト体表からのバイオ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S89
Main Authors 岩佐, 琥偉, 小林, 正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S89

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Summary:生体はバイオフォトンと呼ばれる極微弱な自発的発光を示すことが知られている.バイオフォトンの発生には,生体のエネルギー代謝過程や,環境汚染物質や紫外線などを原因として産生される活性酸素種が関与していることから,生体の酸化ストレス状態を反映するものと考えられている.一方,生体は太陽光や室内光などの環境光により,遅延発光と呼ばれる長寿命な極微弱発光を示すことも知られており,主に皮膚に内在する蛍光性色素の光励起や,それに続く化学的励起過程に起因するものと考えられ,また光増感反応との関連も示唆されている.われわれは,超高感度画像計測システムや同時多波長分光分析システムの開発を行ない,ヒト体表からのバイオフォトンや遅延発光のメカニズムについて検討を行ってきた.本報では,光照射によらないバイオフォトン発光,及び青色LED光照射による遅延発光の画像計測と分光計測を行い,それらの発光特性を比較し,in vivo酸化ストレス評価法への応用について検討したので報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S89