確率ニューラルネットによる脳卒中患者の気分障害と認知・身体機能の関係解析

【目的】脳卒中患者が気分障害や認知機能低下を呈すると生活の質が著しく低下するが,それらの機序は解明されていない.本研究では脳卒中患者を対象とし,気分障害はDepression, Apathy, Anxietyに注目し,認知・身体機能等の各種検査から得られる指標との関連性について機械学習を用いて解析を行う.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと,事前にインフォームド・コンセントが得られた脳卒中患者207名(64.4±10.2歳)を対象とし,機能的自立度評価法,認知機能検査(注意機能,記銘力等),自覚ストレス検査を課した.また,Hospital Anxiety and Depression S...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S77
Main Authors 曽, 智, 濱, 聖司, 平野, 陽豊, 下永, 皓司, 柳川, 亜紀子, 萩山, 直紀, 吉村, 和真, 辻, 敏夫, 栗栖, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S77

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Summary:【目的】脳卒中患者が気分障害や認知機能低下を呈すると生活の質が著しく低下するが,それらの機序は解明されていない.本研究では脳卒中患者を対象とし,気分障害はDepression, Apathy, Anxietyに注目し,認知・身体機能等の各種検査から得られる指標との関連性について機械学習を用いて解析を行う.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと,事前にインフォームド・コンセントが得られた脳卒中患者207名(64.4±10.2歳)を対象とし,機能的自立度評価法,認知機能検査(注意機能,記銘力等),自覚ストレス検査を課した.また,Hospital Anxiety and Depression Scaleとやる気スコアから気分障害の有無を判定した.気分障害の有無を教師信号,機能評価検査の指標得点を入力として,確率ニューラルネットワークの一つであるLog-Linearized Gaussian Mixture Network (LLGMN)を用いてleave-one-subject-out交差検証を行い,気分障害の有無の識別精度を評価した.また,偏KL情報量を用いた入力次元削減により識別精度向上と識別に重要な指標の特定を試みた.【結果】Depressionは82.8%,Apathyは69.8%,Anxietyは86.2%の精度で気分障害の有無が識別できた.【結論】LLGMNを用いた機械学習により,Depression, Apathy, Anxietyという各種の気分障害に関連する重要な指標を特定できる可能性がある.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S77