ELASTomics:細胞の力学特性と遺伝子発現の統合解析法
「1. はじめに」老化やがん, 細胞分化といった様々な生命現象における細胞の力学特性とそれが生命現象において果たす役割について研究する学問領域であるセルメカニクスは, 2000年頃から飛躍的に発展してきた. 近年では重要な制御因子についても同定され始め根本的なメカニズムの理解が進みつつあるが, 遺伝子発現変動と細胞の力学特性を繋ぐ分子カスケードについては未だ不明な点が多い. 「2. ELASTomicsの開発」そこで著者らは細胞表面張力と遺伝子発現解析を組み合わせることが可能な新しい手法を開発し, ELASTomics (Electroporation-based Lipid-bilayer...
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Published in | 生物物理 Vol. 65; no. 1; pp. 17 - 19 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2025
日本生物物理学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」老化やがん, 細胞分化といった様々な生命現象における細胞の力学特性とそれが生命現象において果たす役割について研究する学問領域であるセルメカニクスは, 2000年頃から飛躍的に発展してきた. 近年では重要な制御因子についても同定され始め根本的なメカニズムの理解が進みつつあるが, 遺伝子発現変動と細胞の力学特性を繋ぐ分子カスケードについては未だ不明な点が多い. 「2. ELASTomicsの開発」そこで著者らは細胞表面張力と遺伝子発現解析を組み合わせることが可能な新しい手法を開発し, ELASTomics (Electroporation-based Lipid-bilayer Assay for cell Surface Tension and transcriptomics) と命名した. ELASTomicsとは, ナノポアエレクトロポレーション (NanoEP) により細胞内へ物質輸送されたDNAタグ付きデキストラン (DTD : DNA-tagged dextran) のバーコード配列を1細胞RNA-seqで読み出すことにより, 細胞の遺伝子発現と細胞表面張力の測定を同時かつ大規模にできる新しい解析法である. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.65.17 |