ヴィジランス課題における口頭課題の影響

長距離の自動車運転やプラント監視において,ヴィジランスの低下を緩和することがヒューマンエラーを減少させるために重要である.本研究では,単調作業中に会話を二重課題として課すことで,パフォーマンスにどのような影響がもたらされるかを覚醒水準と認知的負荷の観点から検討した.20名の大学生を対象に,20分間の試行6つからなる実験を行った.実験参加者は,要検出信号の出現率が20%,5%,1%の短縮ヴィジランス課題を,口頭課題あるいはありの条件のもとで遂行した.また,心拍と瞬目を計測するとともに,メンタルワークロードの測定を行った.結果,口頭課題を行った後のパフォーマンスが向上することが示された.また,一部...

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Published in人間工学 Vol. 49; no. 6; pp. 289 - 296
Main Authors 山田, 健太, 臼井, 伸之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2013
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.49.289

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Summary:長距離の自動車運転やプラント監視において,ヴィジランスの低下を緩和することがヒューマンエラーを減少させるために重要である.本研究では,単調作業中に会話を二重課題として課すことで,パフォーマンスにどのような影響がもたらされるかを覚醒水準と認知的負荷の観点から検討した.20名の大学生を対象に,20分間の試行6つからなる実験を行った.実験参加者は,要検出信号の出現率が20%,5%,1%の短縮ヴィジランス課題を,口頭課題あるいはありの条件のもとで遂行した.また,心拍と瞬目を計測するとともに,メンタルワークロードの測定を行った.結果,口頭課題を行った後のパフォーマンスが向上することが示された.また,一部の生理指標によって,口頭課題を行った後の覚醒水準の低下が抑制される可能性が示唆された.一方で,二重課題による悪影響も見られ,口頭課題の負荷を操作する可能性について論じられた.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.49.289