急性虫垂炎に対する腹腔鏡下手術の検討

「はじめに」 近年, 消化器外科領域における腹腔鏡下手術の進歩はめざましく, ほぼ全ての消化管を対象とした鏡視下手術が行われている. 急性虫垂炎に対しては, 1983年のSemmの腹腔鏡下虫垂切除術(以下LS-ap)の報告1)以降, 欧米を中心として普及し, 多施設で有用性が確認され, 手術手技も確立されたといえる2, 3). 今回, 術後病理学的診断からみたLS-apの有用性について検討した. 「対象・方法」 1997年1月~2000年1月までの3年間に54例のLS-apが行われた(開腹移行3例, 平均年齢30.7±16.1歳, 男女比1:1.6). また, この期間中術式の選択では, 腹腔...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 57; no. 2; pp. 52 - 53
Main Authors 大塚, 耕司, 村上, 雅彦, 加藤, 貴史, 藤岡, 稔洋, 普光江, 嘉広, 亀山, 眞一郎, 町田, 健, 草野, 満夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2000
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 近年, 消化器外科領域における腹腔鏡下手術の進歩はめざましく, ほぼ全ての消化管を対象とした鏡視下手術が行われている. 急性虫垂炎に対しては, 1983年のSemmの腹腔鏡下虫垂切除術(以下LS-ap)の報告1)以降, 欧米を中心として普及し, 多施設で有用性が確認され, 手術手技も確立されたといえる2, 3). 今回, 術後病理学的診断からみたLS-apの有用性について検討した. 「対象・方法」 1997年1月~2000年1月までの3年間に54例のLS-apが行われた(開腹移行3例, 平均年齢30.7±16.1歳, 男女比1:1.6). また, この期間中術式の選択では, 腹腔鏡下手術に熟練した上級医が手術に参加することを条件とし, それ以外は開腹手術とした. 従って, 臨床所見の重症度により術式が左右されることはなかった. 術後の病理組織学的診断より, A群(カタル性), B群(蜂窩織炎性), C群(壊疽性)に分類し, 手術時間, 入院期間, 歩行・食事開始時期, 術後発熱持続期間, 術後合併症(創部・腹腔内膿瘍等)について検討した.
ISSN:0389-9403
2189-0021
0389-9403
DOI:10.11641/pdensks.57.2_52