Chiari奇形2型を合併したVACTERL連合の2例

VACTERL連合は椎体異常(V),鎖肛(A),心形態異常(C),気管食道瘻(TE),腎形態異常もしくは橈骨形成異常(R),ならびに四肢の異常(L)の頭文字を合わせた疾患名であり,これら多系統の形態異常を同時に認める.頻度は1-4万出生に1人とされ,診断は3項目以上の所見を認めるものとされる.他にも様々な形態異常を合併するが,中枢神経系の異常は稀である.今回,Chiari奇形2型を合併したVACTERL連合の2例を経験した. 症例は在胎38週と35週の女児で,2例とも胎内診断され,高度の椎体異常,鎖肛,腎形態異常,内反足に加えChiari奇形2型を合併していた.生後は脊髄髄膜瘤根治術,脳室腹腔...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 317 - 322
Main Authors 漢, 伸彦, 金城, 唯宗, 佐々木, 瑶, 芹田, 陽一郎, 楠田, 剛, 島, 貴史, 野口, 雄史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2024
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.60.2_317

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Summary:VACTERL連合は椎体異常(V),鎖肛(A),心形態異常(C),気管食道瘻(TE),腎形態異常もしくは橈骨形成異常(R),ならびに四肢の異常(L)の頭文字を合わせた疾患名であり,これら多系統の形態異常を同時に認める.頻度は1-4万出生に1人とされ,診断は3項目以上の所見を認めるものとされる.他にも様々な形態異常を合併するが,中枢神経系の異常は稀である.今回,Chiari奇形2型を合併したVACTERL連合の2例を経験した. 症例は在胎38週と35週の女児で,2例とも胎内診断され,高度の椎体異常,鎖肛,腎形態異常,内反足に加えChiari奇形2型を合併していた.生後は脊髄髄膜瘤根治術,脳室腹腔シャント術施行,鎖肛に対し外科的介入を行った. VACTERL連合の各形態異常は主に胎生3週頃より形成されるものであり,Chiari奇形2型の形成時期と類似している.今回,両疾患の関連に対する考察を含め報告する.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.60.2_317