症候性の特発性孤立性上腸間膜動脈解離に対してステント治療が有効であった2例

稀な疾患である症候性の特発性孤立性上腸間膜動脈解離に対して,急性期治療としてステント留置が有効であった2例を経験した.2例とも主訴は腹痛で,症状が強くCT所見から腹部アンギーナによる症状であると考えられ,病状が進行して腸管虚血に至る可能性が危惧されたためステント治療を行った.2例とも治療により症状は改善し,術後経過は良好で退院後もステント内狭窄を認めていない.同疾患に対して,これまでは主に保存加療が選択されてきたが,近年ではステント治療の報告も増加傾向にある.同疾患に対する今後の治療戦略について,文献的考察を加えて報告する....

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Published in心臓 Vol. 52; no. 8; pp. 909 - 915
Main Authors 新浪, 博士, 古田, 晃久, 中前, 亨介, 東, 隆, 道本, 智, 磯村, 彰吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.08.2020
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.52.909

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Summary:稀な疾患である症候性の特発性孤立性上腸間膜動脈解離に対して,急性期治療としてステント留置が有効であった2例を経験した.2例とも主訴は腹痛で,症状が強くCT所見から腹部アンギーナによる症状であると考えられ,病状が進行して腸管虚血に至る可能性が危惧されたためステント治療を行った.2例とも治療により症状は改善し,術後経過は良好で退院後もステント内狭窄を認めていない.同疾患に対して,これまでは主に保存加療が選択されてきたが,近年ではステント治療の報告も増加傾向にある.同疾患に対する今後の治療戦略について,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.909